「あ、あのっ……ケイくん私、やっぱりバスケはっ……!!」

「ダメ。来ないとお仕置き」

「はい!?」



グイッと腕を掴まれ、視線と視線がすぐ近くでぶつかる。



「お前は太一と同じ学校の同じクラスなんだろ? もし来なかったら、学校の帰り道に襲って、色々とヤバイコトをする」

「や、ヤバイコトって……」

「そうだなぁ、両手を縄で縛って動けなくして、制服を破って楽しもうか」



ひぃっ……!! 鬼畜っ……!!



「そんで、写メったのをネット上にバラ撒こうか」

「ちょ、ちょっと……!! そんなの、犯罪っ……――!!」

「嫌なら来い。 俺に犯罪をさせるな。
ちょっと来てバスケして帰ればいいんだから、迷うことないだろ?」


「た、確かにそうだけど……」

「じゃあそういうことで、さよーなら」



あっ……。

……行っちゃった。



「どうしよう……」



……『お仕置き』って、本気じゃないとは思うけど……でも、もしもを考えたら、行った方がいいよね…。

ケイにバスケを教わるなんて……そんなの、想像も出来ない。



「私、どうなっちゃうんだろう……」



不安ばかりが増していく中で、ケイくんが行った道をただぼんやりと見つめ続けた。