なんて長々と語っておきながら名乗らないのは見てくださっている方に対し流石に失礼に値するので自己紹介をしようと思います。

今年、高校3年生になったばかりの北山若葉(きたやまわかな)です。わかばってかいてわかなって読む。何度「わかばちゃん」と間違われたことか…なんてどうでもよくて。
成績は真ん中くらい、背は平均より低め、髪は肩と腰の間くらい…まぁ、至って平凡なわけでして。

今の私が置かれている状況は謎の場所、卵、以上。
分からない、何がおきているのか分からない。

とりあえず自分の中で、少し整理してみようと思う。
卵…は結構大きめ、ダチョウの卵よりもう一回り大きいくらい…で、うっすら紫がかってる。
場所…は…なんていうか草花。あ、草原だ、草原。それが一番しっくりくる。

原因はきっと謎の声に返事を返しちゃったこと。あれは、私だけにしか聞こえていなかったのかな?

あ、卵動いた。

あの声、もう聞こえないのかな…。
言うだけただだし…でも声に出すのは誰かに聞かれてたりしたら恥ずかしいから心の中で。

《ねぇ…聞こえてる…?》

………………………………………………………………………。

なんて、返ってくるわけないよね。

《聞こえてますよ、なんですか?》

…………………。
……………。
……。

《えっ…と…家に返してはくれないでしょうか…》
《無理よ》(え、即答…。)

無理、その言葉を聞いてそんなに簡単にいくわけないよねって少し諦めがついた。

もう、帰れないのかななんて考えてちょっとウルッてきちゃう。

心を読んだのか分からないけれど

《直ぐには無理ってだけで帰れるわよ。取って喰おうなんてしないから大丈夫よ。》

そっか、よかっ…別によくない。すぐに帰りたい私は謎の声の主に問う。

《この卵なんですか?ここはどこ?いつになったら帰してくれるんですか?あなたはだれで《分かったからそんなに矢継ぎ早に質問しないで》

声の主は呆れたように言った。

《まず…その卵は魔王です。》
《ふむふむ、なるほど…魔王…え、まおう?!?!》

《質問はあとで。ここは、あなた達の住む世界とは違う…簡単に言えばパラレルワールドね。》
《パラパラワールド…?《パラレルワールドです。》

《いつになったら帰してくれるのという質問ですが…正直私にもわかりません。》
《え?そんな…》

《私があなたに与える条件を達成してくれれば帰してあげることができます。》
《条件…?その条件って?》

《魔王を育てることです。》
《はぁ?!》

《最後、私は概念の世界に住むものです。概念の世界と言っても…そうね…神様みたいな存在だと思ってちょうだい。あながち間違ってはいないから。》
《はぁ…。》

《ここまでで質問は?》
《魔王を育てるってなに?!?!条件達成できなかったらどうなるの?!?!》

《………。》

え、まって。なんで黙るの…?

《ふぅ……。少し話が長くなりますが…》

~この世界には魔王と勇者がいる。勇者が魔王を倒した。この流れは昔から決まっている流れ。本当ならばすぐに後継者が現れまた魔王の座に君臨するのですが、今回後継者が現れなかったということで今まで保たれていたこの世界の均衡が魔王不在という理由で崩れてしまったのです。魔獣の数の管理など…均衡を保つ為にも新しく魔王には座に君臨してもらわないと困るのです。~

《なるほど…。。》

~そこで魔王のお世話係として選ばれたのが私の問いかけに答えてくれたあなたなのです。今魔王は卵の状態ですがそのうちかえるでしょう。その後の世話もあなたに任せたいのです。~

《その条件さえ守れば私は帰れるのね。》
《えぇ、もちろんよ。》

~無事に魔王を育ててくれさえすればいいのです。条件を達成できなかった場合ですが…魔王の栄養となってもらおうかと。なにせ魔王ですからね。人間だって食べれますよ。~

《ア、ガンバラセテイタダキマス…》
《まぁ!嬉しい!じゃあ、頼みました。心の中で話かけてくれればお答えできますから。》

てな訳で、私と魔王(卵)の冒険?が始まったのです。
いろいろ突っ込みたいけれど…まず一つ…愚痴を言いたい…(泣)帰りたい…(泣)