出逢った瞬間から、陽介はカッコ良かった。
「これからも俺はおまえを守るから」
「ありがとう」
「ああ」
陽介が守ってくれると言っているのだ。なにも心配することはない。
陽介の隣りで、私は私らしくいればいい。
「大好き」
「だから知ってる」
最高の笑みを浮かべた陽介の顔が近付いてきたかと思うと、唇が熱を持った。
嫉妬という醜い感情を拭うような、優しい優しいキスに酔いしれる。
ーー幸せを、手に入れた。
片想いをしている女の子は、誰だって臆病で。
相手の言葉に一喜一憂し、時には傷付く。
それでも勇気を持つことでなにかが変わるかもしれない。
諦める勇気を持つくらいなら、前に進む勇気を奮い起こそう。
大丈夫、私にもできたのだから。
アナタにもできるよ。
ありふれた恋 【完】
もう何年も前に書いたお話です。
どこにでもある、けれどじれったいお話です。
拙い文章をお読みいただきありがとうございました。


