じっと顔が見つめられ、
「ふん、涙の跡か…誰のために、泣いていたんだ?」
と、頬に指が這わされて、うつむいたところを、
「……こっちを向くんだ!」
再び、強引に向き合わされて、
「……もう、私以外の誰かのことは考えてはならない。これは、警告だ。
おまえが、今後も他の者のことを思えば……どんな罰が下るのか、肝に銘じておけ」
告げられて、口づけられた。
「……わかり、ました……」
耐え切れずに、流れ落ちた涙に、
「泣くのも、今日を限りにするがいい。 幸せなはずの花嫁が泣いてばかりいたのでは、体裁が悪い!」
苦々しげにそう言い捨てると、キースは足音を響かせて部屋から出て行ったーー。