……背を向けてしまえば、会えなくなるとも思うと、足が動かなくもなるのに、

「……ジュリア! どこですか!?」

母の声が、追い討ちをかける。

「……行かれてください、さぁ…」

それだけしか言わず、私の方へ顔も向けてはくれない彼に、

「……。……リュート、私も……」

そこまで言って、その先を言えずに歩き去ろうとして、

「……私も、あなたを……愛してたわ……」

口にして、彼の部屋を後にしたーー。