「……。……今度の催事で、ニルヴァーナ侯爵は、私を婚約者としてお披露目をすると言っていたわ…」 「……左様でございますか…」 リュートが無感情を装って応える。 「……私の最後の願いさえも、あなたは聞いてはくれないのね……」 「……私には……」 言葉を濁してうつむく彼から、目をそらす。 「……もういいわ。……もう行って」 手をついていたベッドから、リュートが緩慢な動作で立ち上がる。