長く、静かに愛を確かめるように唇を合わせて、リュートはやがてゆっくりと唇を離した。

「……ジュリア様」

呼ぶ声に悲哀が混じり、顔をそむけるリュートに、

「……もう、出来ないの…?」

と、わかっていながら訊いてみる。

「……もう、私には……」

そむけた顔を、嵌めた白手袋の両手で覆って、

「……私、には……」

と、声を詰まらせた。