「……私のせい…でございますか……。お嬢様、お辛いのであれば……、」

言いかけるリュートに、

「辛いのなら、どうしてくれるのよ!」

苛ついた声を上げる私に、

「……ジュリア様」

と、リュートがさらに優しく、甘い声音で呼びかける。

「……ジュリア様、あなたを辛い目に遭わせるのは、私には忍びなくて……」

手でそっと髪に触れて、梳くようにも撫でて、

「……このまま、あなたを奪うことができたらと、幾度となく思ったことか……」

椅子に座る私の前に片膝をついて、跪いた。