「……あなたは、何もわかっていないようだ。……格下の者と共に馬に乗るなど、言語道断だということを」

「……助けてくれただけだと、言ってるでしょう?」

と、キースの顔を睨むと、

「……勝負をする気はなくとも、明らかだな……そいつが、あなたに恋慕をしていることは……」

忌々しそうにも口にして、睨み返してきた。

「……だが、もう勝負はついた」

言って、リュートの顔を不躾けに指を差すと、

「……おまえに、もはやジュリアを渡すことはない!」

勝ち誇ったように、声を上げて笑った……。