リュートが後ろから追いついてきて、同じように馬を止めた。

「……やっと来たのか」

キースが言って、

「おまえに、話がある」

と、顔を向ける。

「何でございましょうか?」

聞き返したリュートが、

「……私と、競走をしないか?」

という予想外な返答に、

「……競走ですか?」

と、訝しげな顔になる。

「ああ、ジュリア孃を賭けて競走をな…」

「……えっ…」

キースの言い出したことに、リュートが声を詰まらせた。