呼びつけて、ベッドへ歩み寄った彼の手首をいきなり引く。
「……目覚めのキスを、しなさい」
私の言葉に、蒼く煌く目を見開いて、リュートが呆然とした顔つきになる。
「……しなさいと言ってるのよ。これは、命令よ…」
「……かしこまりました」
頬に、おずおずと両手が添えられて、
「……マイロードに、キスを」
彼の薄く紅い唇が近づく。
口づけて、けれど唇に僅かに触れただけで、身体を引いて、
「……。……ご無礼をお許しください」
と、謝った。
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