「……いいのよ、あなたとは今は主人でも従者でもないのだから、普通に話して……ジュリアって呼んで」

その手を握り締めて伝えるのに、

「…………。」

深く青い瞳をじっと私に合わせて、

「……はい」

と、頷いて、後……

「……ジュリア……」

彼は、初めてそう呼んでくれた……。