「……白い花は、あなたのようでもあるわ」

視界を白く染めて広がるたくさんの花に呟くと、

「…私、ですか?」

と、リュートが身体を離して、戸惑うようにも見つめた。

「ええ…真っ白に麗しく咲く花は、まるでリュートみたいで……」

「……いいえ、私など……もったいなく思います……」

そう話して目元を微かに紅く染めてうつむく彼に、

執事だった頃に距離を置かれていた記憶がふと蘇るようにも思えて、

「……ねぇ、もう私にそんな話し方はしないで。あなたと同じでいたいの……」

言うと、

「ですが……、」

と、言葉を詰まらせた。