「……綺麗」

朝のまだ淡い日に照らされて咲く真っ白な花々に、思わず口にすると、

「ええ、綺麗ですよね……」

と、傍らで彼が応えて、

「……この景色を、あなたに見せたいと思っていました……」

慎重に踏んでしまわないようにしながら、白い絨毯のように咲く花の中に導いて、

「……この純白の花は、まるであなたのようで……」

彼は言って、

「……いつか、あなたと二人で、この白き花たちを見ることができたらと……」

腕の中へ包むようにして、ふわりと私の身体を抱き締めた。