「……あなたに、見せたいものがあります……」 彼の言葉に、早朝のまだ肌寒い中を出掛けた。 「……もっとこちらへ」 冷えた肩を抱き寄せられて、二人で寄り添って歩いた。 街のはずれまで歩いて、さらにその先に続く山道へと手を引かれて、 やがて、着いたのは…… ……白い花が、一面に美しく咲き誇る小高い丘だった。