「……えっ、それはどういう意味で……それによく見ればどこかおやつれになったような……どうかされたのでしょうか…?」 戸惑いを濃くする彼へ、 「……私には、もう帰るべき家はないのよ…だから、もはや伯爵令嬢の肩書きもないわ…」 そう話した。 「……何が、あったのですか? とにかく中へ…外は、お寒いでしょうから」 部屋へ招き入れられて、温かな紅茶がふるまわれた。 「ありがとう……」 一息をついて、紅茶に口を付けた……。