自分の記憶だけを頼りに、彼の住む街を目指した。
もしかしたら、記憶が違っているのかもしれない……それ以前に、もう彼はそこにはいないのかもしれない……。
そう思っても、早る気持ちを抑えることはできなかった。
ーー乗り継いだ馬車を降り立って、記憶を辿りつつ道を歩いた。
彼の家が近くなったことがわかると、次第に進む足は速くなった。
……彼に、リュートに、早く会いたい……!
とめどなく溢れる想いに、足がもつれるように走り出す。
リュート……!
彼に、会える……!
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