「……こんな……もらえないわ……」

と、返そうとするのを、

「……いいのですよ…」

私の手にぎゅっと再びそれを握らせて、

「……今度こそ、お幸せに……」

もう一度、優しく背中を叩くと、

「…ありがとう、サム…」

振り向く私に、無言で首を振って、サムは私を送り出した……。