「……よかった、少しお元気になられましたか? 赤みがさしてお身体があったまってきました」

顔を覗き込むのに、

「ええ、サム…」

ややはっきりとしてきた頭で頷く。

「生きる気力が湧いてくれば、もうここを出て行けますね?」

サムは、そう励ましてくれるようにも言って、

「……大丈夫です。あとはご心配なく」

と、笑いかけた。