「……ここから、出して……」

力なく訴える私に、

「……子供が泣いているから、戻ります」

母は応えることなく、子供を腕に抱き直すと、

「……あなたは、既に死んだことになっています……」

信じられない一言を口にして、

「……ですから、あなたの意思で死ぬのは自由ですが、これ以上は伯爵家に迷惑をかけないでちょうだい」

呆然とする私に、母親としての情など微塵も感じられない様子で冷たく話すのに、もう地下室から二度とは出してくれないのかもしれないと……、

それならば、ここでこのまま死んでしまっても構わないとさえ思った……。