何も言えずにいる私に、母はさらに残酷な言葉を投げかけた。

「……その子供は、伯爵家の跡取りとしてこちらで引き取ります。ただし、あなたには、この邸の地下室へこれからは住んでもらいます……」

「……地下室って、そんな…っ!」

子供を取り上げられて、泣いて縋る私に、

「……仕方のないことでしょう」

と、母が冷たくつき放すように言い、

「……あなたは、それだけの過ちをしたのです……名高いニルヴァーナ侯爵家から離縁を言い渡されたあなたには、今後は縁談の話が来ることもないでしょう……。

……このまま醜聞に晒されながら、独り身で過ごしていくよりも、邸内の地下へ籠り世間とは関わりを絶った方がいいのではないですか?」