……最低限の荷物を持たされて、家へと帰された私に、親は決していい顔はしなかった。
「……不貞の子を抱いて、戻されるなど、恥ずかしいことだとは思わないのですか?」
言う母親に、
「……あの人の子だわ。本当によ……」
キースに話したようにくり返す。
「……けれど、あの日、あなたがリュートに会いに行ったというのが真実なら、
あなたがどんなに弁解しようとも、侯爵様の仰ることも否定し切れないのですよ……」
母は私には耳を貸さず、
「……自分の犯した過ちを、知りなさい……」
それが当然の報いだとばかりに、そう続けた。