「……どうして……」

聞き返す私に、

「……どうしてだと?」

と、嫌悪感を露わに、

「そのような不義の子など、我が侯爵家の血縁に迎え入れるつもりなど毛頭ないからだ」

そう言い切った。

「あなたの子なのよ……」

振り向くこともないその背中に追い縋ろうとするのに、

「聞く耳など持たぬ。今すぐにでも、その子供とおまえの家へ帰れ。もう、共にいたいとさえ思わない……」

重ねられた言葉に、既に彼の心には私への感情はひと欠片もないんだと悟った……。