「リュート……」

あの頃と何も変わらない、彼の顔を見つめた。

「……ジュリア様、いらしてくださったのですか?」

問いかける彼に、答えも返さずに抱きついた。

「……会いたかった! リュート」

「……ジュリア様、私もです。……あなたに、お会いしたかった」

彼の手が、私の背中をぎゅっと抱き締める。

……私たちはしばらく身じろぎもしないで、互いの存在を確かめるようにもしてそこで抱き合っていた。