はやる気持ちを抱えて、馬車を走らせた。 今は、一刻も早く彼の顔が見たかった。 馬車を幾度か乗り継いで、ようやく書かれていた場所の近くまで来て、手紙を見ながら家を探し歩いた。 やがて、そう大きくはない目当ての家を見つけて、鉄の門を押し開けた。 扉の前に立って、数回ノックをすると…… 中から、どんなに会いたいと思ったかしれない、その顔が現れた……。