「…何でしょうか? お嬢様」

見つめ返されて、その先を一瞬伝えかねて黙り込む。

「……。……リュートも、私がお相手をそろそろ見つけた方がいいと思ってるの?」

彼の心の内を探るような、私の問いかけに、

「そうですね。お嬢様も、先ほど奥様が言ってらしたように、もうお年頃でございますから……」

リュートが、ごく当たり前のようにそう答えて、

「……そんなこと、聞いてるんじゃないのよ…」

と、先ほどの母のような皺を眉間に刻んだ。