「ジュリア、あなたは結婚をしている身……今は、ニルヴァーナ侯爵様に仕えるだけです」

困惑を隠せなくなるのに、母はそう当たり前のようにも言って、

「だけど、リュートは何も悪いことなんて……」

反論をしようとする私の言葉を、

「もうその話はいいですから」

と、頭ごなしに否定した。