……少しずつだろうとも、彼との愛を育てていこうと、 そう思いつつ、やがて結婚から一年余りが経った頃、 「私は、遠方の親族に会いに行って来る。少し滞在もしてくるので、おまえも親元に戻るなどするといい」 キースから、そう話をされた。 「……戻ってもいいのですか?」 彼はリュートとの再会を警戒していて、両親のところへ行くのを今まで許してくれたことは一度もなかった。