「ええ、おいしいです…」

応えると、「ここ、ちょっとソースが付いている」と、唇の端を指で拭われた。

「…可愛いな、ジュリア…」

拭った唇に軽く口づけられて、仄かに顔が火照るのを感じる。


……白い砂浜を爽やかな潮風が吹いて、顔の火照りを冷ましていく。

こんな穏やかな時間も、夫婦ならではのものなのかもしれないとも思い始めていた……。