「――検査の結果、リリーン=サッチェスさんの体に異常はありませんでした――」
機械的な口調でそう告げたロボットの医師。あたしは安堵の息をついた。
「そうですか、ありがとうございました」
あたしは軽く一礼する。
「――お大事に――」
ロボットの医師は、金属で出来ているであろう右腕を挙げてあたしを見送った。
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「ってことで、あたしはなんでもなかったみたい。心配して損しちゃった」
あたしはそう言いながらテーブルに料理を運ぶ。
「良かったじゃねぇか。なんでもないなら」
ラウルは本当に安心したかのような表情を浮かべた。
あたしはハウワイ島から帰ってきてこの一週間、夜は欠かさずラウルの家に行ってご飯を作っ
ていた。勿論、誰にも言わずに。
「まぁね。でも、なんか風邪ひいてたくらいのことはあっても良いじゃない? ふらふらするし、
熱っぽくもなるし、心臓だって急激に痛くなるし」
「そのロボット壊れてたんじゃねぇの?」
「それはないと思うんだけど……よし、じゃあ食べよう」
あたしは椅子に座った。今日は、エビと茄子とオクラとサツマイモの天ぷら。あたしの自信作。
「「いっただきまーす」」
あたしたちは声を揃えてこう言い、食べ始めた。
「あ、そうそう。俺、珍しく明後日仕事が休みなんだ」
「え、本当っ!?」
あたしは期待を胸に抱かせる。
「ああ、どっか行きたい所あるか?」
「わぁい、じゃあね、遊園地がいい。まだ二人で行ったことないでしょ?」
カップルでのたまり場と言えばやっぱり遊園地でしょ。
