優はパタンとパソコンを閉じてボクの方を見ると、「さてと、朝食にしましょうか」と笑顔で言った。

そして、リビングの方へと出ていった。

ボクはついていくように後を追い、洗面所で顔を洗った。

リビングに戻ると、コーヒーとトーストサンドが用意されていた。

朝からオシャレだなぁ〜なんて思ってると

「優雅な芸能人の休日みたいでしょ?」と優は言った。

ボクらは向かい合って座り、朝食兼昼食を軽く済ませた。

改めて、何をするか話し合う。

「スケルトンカヤックなんてどうですか?」と優が言う。

「何それ」とボクが聞くと、

「ここはマリンスポーツとかも楽しめるビーチとして有名でして…カヤックのボート自体が透明なんですよ。だからすごくキレイに見えますよ」と優は言ってくれた。

優はいつもほんとに嫌な顔ひとつせず…何も知らないボクに色々教えてくれる。

「そうなんだぁ…それもいいね〜」とボクが言うと、

「少し離れると色々なマリンスポーツが体験出来るような場所もありますけど…行って見ますか?」と優がいうので

「行きたい!」とボクは即答した。

「わかりました。手配しますね!」と優は言った。

ボクたちは準備を整えて、別荘を出た。

安全運転を心がけて運転してくれる優の隣に座りながら、ボクはワクワクドキドキしていた。

どんなマリンスポーツが体験出来るんだろうって。

しばらく走って…車は止まった。

大きな建物だった。

優と中に入ると、「いらっしゃ〜い」と元気な声が聞こえた。

「あっ、優くん?待ってたよぉ〜」と近づいてくるひとりの男性。

「リョウマさんお久しぶりです」と優は言った。

「この人が言ってた親友さん?」と言う男性。

「そう!紹介するねぇ〜。俺の親友で大切な人なんだ。中原順也さん」と優はボクを紹介した。

「ん?テレビで見たことあるような気がするけど…」と男性が言う。

「REIYARのドラムなんだよ」と優が言うと、

「えっ、最近メッチャ忙しくしてるバンドグループよね?」と男性が言った。

「だから今回は短いけどリフレッシュ休暇なんだ」と優が言うと、納得してくれたみたい。

「順也さん、紹介するね!こちらここのオーナーでマリンスポーツインストラクターのリョウマさんだよ」と優は紹介してくれた。

「そうかぁ。優くんの大切な人なんだね!じゃあ最高のおもてなししなくちゃ!」とリョウマさんは言った。

「宜しくお願いします」とボクは頭を下げた。

「よろしくね!で、何か希望はある?こんなやつやってみたい!とか…」とリョウマさんは言った。

「えっと…スケルトンカヤックを…」とボクが言うと、

「良いねぇ!せっかくだし、サーフィンとフライボートも体験してみたら?いい記念にはなるよ?」と光さんは言う。

イヤイヤ、フライボートって…あの!!

水で空を飛ぶとかいうあれでしょ?

無理に決まってる!

ボクは優の顔を見た。

「フライボードは辞めておきましょう!ケガでもされたら困りますから!」と優が言ってくれて、ボクはホッとした。

そんなボクを見て、クスッと笑った優は

「スタンダップパドルボードにしましょう!それなら楽しめると思います」と言ってくれて、

スタンダップパドルボードと、スケルトンカヤックをすることになった。

「まぁ…初心者でも楽しめるかな〜。楽しめて…ハマったらこれからも続ければいいよ!ここに来たらいつでもサポートはするしね?」とリョウマさんは言ってくれて、ありがとうございますとボクは頷いた。

そしてボクたちは準備して海に出た。

まずはスケルトンカヤックで。

透明のカヤックは光の反射で美しさを増し、周りに集まる小魚も色とりどりでキレイだった。

思わず興奮気味に身を乗り出しかけて、

「危ない!」と優に軽く注意されてしまう。

けどそれも、とても心地良かった。

前のカヤックでは案内をしてくれているリョウマさん。

ボクらはその後ろに続いていた。

もちろん、カヤックもうまく漕げないボクの代わりに手慣れた優が漕いでくれる。

「優雅にたまにはこうやってのんびりした休暇もいいよね」と優は言った。

ボクは頷いた。

それを見て優は笑う。のんびりと流れる優雅なボート旅を満喫したボクたちは、スタンダップパドルボートにチェンジした。

中々ボードの上に立つのは難しく、ボクは苦しんだ。

けど!!慣れてないからと言いながらあっさりボードの上に立ち、綺麗なフォームで優は進んでいく。

ボクはただ乗りこなすことに必死になり、周りは全くと言っていいほど見えずにいた。

そこにリョウマさんがきてくれて、ボクの側について丁寧に指導してくれた。

おかげで数時間かかったけど、なんとか乗れるようになった。

ボクはたちは優雅に休日を楽しみ、帰宅した。