その頃、ありさは騒いでいた!

「ねぇ〜優見て!」とありさは言う。

「姉ちゃん、どしたの?」と優は言って、ありさのスマホを覗いた。

「ん?順也さんから?って…デートのお誘いじゃん!」と優は驚いたように言うが。

実は気づいていた。

「無理だよぉ〜どしよ?」とテンパるありさ。

「本命だろ?いいじゃん!」と優は言うが、

「そんなわけ無いでしょ!本命だからこそ緊張するし…どーしていいかわからない!」とありさは言う。

「男慣れしてる姉ちゃんがそんなこと言うなんて珍しいね!」と優は言う。

「失礼ね!順也さんは特別だからこそどうしていいのかわからないのよ〜」とありさは言う。

そこに晴香からLINEが来た。

『明日逢えるかしら?』というもので、ありさは速攻返事した。大丈夫ですと。

翌日、ありさと晴香はよく行くカフェにいた。

向かい合って座りながら他愛もない世間話をした。

しばらくして晴香が口を開いた。

「昨日、順也から連絡あったと思うんだけど…」と晴香が言う。

「あっ、はい!デートしないかと誘われました!」と興奮気味に怪しむこともなく言った。

「そうなのよ…あの子の本気受け止めてあげてほしいの」と晴香

「あの…けどいいんでしょうか?嬉しかったんですけど…私と順也さんは見えてる世界が違う気がして…釣り合わないように思うんです。それゆえに不安で…」とありさは言う。

「あの子が望むんだからいいんじゃない?私ね、思うのよ。恋愛って釣り合わないとか釣り合うとかそう言う問題じゃないと思うの。自分の気持ちに正直にいることこそが一番大事じゃないかって。あなた…順也のこと好きでしょ?私には隠してもバレるんだからね!」と晴香

「やっぱり晴香さんには敵いませんね。確かに…そうかも知れません。色んな人とお付き合いしてきたけど…心のどこか奥には順也さんがいて、上の空だったり、デートの筈が上辺だけのデートだったことばかりでした…だからすぐに別れて…それでも同じこと繰り返して…」とありさは本音を伝えた。

「実はね、あの子…最近顔もヤツレて具合悪そうに見えるのよ。理由を聞いたらね…ありさちゃんが男性と店入っていくのを目撃してしまったショックで…なんて言うの!そんなことありえる?自分が声かけれなかったかったって悔し泣きして…食事もロクに通らない、眠れない日々が続いてたみたいなのね。それを気にかけた優くんがウチに来て、なんとかしてやれないかって相談して来たのよ。だから…お節介かもとは思ったんだけど…雪弥と話しして…こうなったわけ!だから…あの子のこと、お願い!あなたにしか出来ないの!あの子を元気にしてやって欲しい」そう晴香はありさに頭を下げたのだった。

「…わかりました。私頑張ってみます!順也さんが元気になれるように!そして、またデートしたいって思ってもらえるように!!」ありさはそう言って笑った。

それを見た晴香もホッとした。