向日葵

ホテルから出てきた頃には、辺りは宵闇に包まれる時間となっていた。


さすがにお腹は空いたし、これからどうしたものかなと、考えを巡らせた瞬間。



♪~♪~♪

その瞬間に鳴り響いたのは、間違いなくあたしの携帯の着信音だったのだが、確認したディスプレイに表示されているのは、知らない番号。


見たことない番号だな、なんて思いながら、恐る恐るあたしは、通話ボタンに親指を掛けた。



―ピッ

「…はい?」


『あっ、俺!
わかる?』


「…わかりませんけど。」


『昼間の、ほら!
アンタ、俺の携帯拾ってくれたじゃん!』


あぁ、アイツか、と。


そう思ったのだが、それにしても馴れ馴れしい。


てゆーかそれは置いておいたとしても、まさか掛けてくるとは思わなかったわけで。



「…てか、何?」


『アンタ、暇な日ある?
飯でも奢ってやろうかと思って。』


「へぇ。
アンタ、何か企んでんの?」


『…意味わかんないんだけど。』


怪しさはマックスだし、大体あたしだって馬鹿じゃないんだから、ご飯を食べただけで終わるとも思わない。


それにどっちかって言うと、さっきまですっかり忘れてたし、今は関わりたくない、って思いの方が強いのが、正直なところ。