陽平を選んだことに後悔なんてしてないつもりだったのに、意志とは別に、胸の痛みは拭えないまま。
そのまま気付けば陽平のアパートに戻ってきてしまったのだが、彼の存在はそこにはなかった。
昨日、ポッカリと心に開いた穴は、今日一日で何倍もの大きさになった気がした。
その理由がクロだってことは明白なのだが、だからと言ってどうすることも出来ないまま。
もう完全にあたし達が二人で紡いだ一週間は、過去のものになってしまったのだ。
部屋に長く伸びた西日の色に染まっていると、静寂の中でガチャリと響いた金属音は、陽平の帰宅を意味していた。
顔を向けると、バツが悪そうに彼は小さく舌打ちを混じらせるので、思わず首を傾けてしまうのだが。
「聞いてくれよ。
絶対あの台に座ったら、勝てると思ったのにさぁ!」
「…えっ…」
「マジで最悪だと思わね?」
言ってることの意味がわからなくて、思考が停止してしまったあたしに、“パチンコ!”と彼は、4文字を吐き捨てた。
本当に、一体何を言っているのだろう。
「…パチンコって、そんなお金…」
「ごめんな、夏希。
お前に頑張って欲しくなくて、一攫千金狙ったのに。」
「…何、言って…」
“お金、なくなっちゃった”と、そんな言葉にあたしは、戸惑うように視線を落とした。
じゃあ、あたしが渡したお金は、この数時間のうちに消えてしまったと言うことだろうか。
「何考えてんの?!
あたしがどんな想いで稼いだと思ってんのよ!!」
そのまま気付けば陽平のアパートに戻ってきてしまったのだが、彼の存在はそこにはなかった。
昨日、ポッカリと心に開いた穴は、今日一日で何倍もの大きさになった気がした。
その理由がクロだってことは明白なのだが、だからと言ってどうすることも出来ないまま。
もう完全にあたし達が二人で紡いだ一週間は、過去のものになってしまったのだ。
部屋に長く伸びた西日の色に染まっていると、静寂の中でガチャリと響いた金属音は、陽平の帰宅を意味していた。
顔を向けると、バツが悪そうに彼は小さく舌打ちを混じらせるので、思わず首を傾けてしまうのだが。
「聞いてくれよ。
絶対あの台に座ったら、勝てると思ったのにさぁ!」
「…えっ…」
「マジで最悪だと思わね?」
言ってることの意味がわからなくて、思考が停止してしまったあたしに、“パチンコ!”と彼は、4文字を吐き捨てた。
本当に、一体何を言っているのだろう。
「…パチンコって、そんなお金…」
「ごめんな、夏希。
お前に頑張って欲しくなくて、一攫千金狙ったのに。」
「…何、言って…」
“お金、なくなっちゃった”と、そんな言葉にあたしは、戸惑うように視線を落とした。
じゃあ、あたしが渡したお金は、この数時間のうちに消えてしまったと言うことだろうか。
「何考えてんの?!
あたしがどんな想いで稼いだと思ってんのよ!!」


