さくらの色にほおづいて

あー、ほんとに海星といたら疲れるよ。

海星とは幼なじみであり、許嫁。

私は無駄に否定した。

だって海星が、

『分かった。いいよ。』なんてあっさり言うから。

でも私は『他に好きな人がいるから。』って言ったんだけど…

海星が強引に『すずも了解しているみたいなんで。』って

ほんとありえないよ。

私の気持ちなんてお構いなしに勝手に話が進んでいっちゃって。

何とかして許嫁を解消しなくっちゃ。

「…ず!おい。すず!」

「へっ?」

「へっ?じゃねぇよ!学校遅れるぞ!」

何よー、誰のせいで学校遅れそうになっていると思っているのよー。

「はいはい。ってもうこんな時間なの?」

見ると時計は8時15分を指していた。

学校が始まるのは8時30分。

急がないと。

「海星。行こう?!」

「おう!」