「仲よさそうだな」

「ええ、アリスはとても話しやすくて物知りで、一緒にお話ししていて楽しいの」

「そうか。アリス、私が不在の時はリアーナのことを頼む」

「は、はい!喜んで!」

「アリス、よろしくね」

「はい!あっ、、それでは私はこの辺で、、ルシアン様、リアーナ様おやすみなさいませ」

「あぁ。」
「おやすみなさい、アリス。また明日ね」

挨拶が終わるとアリスは部屋を後にした


「いい話し相手ができたようでよかった」

「アリスはとても気が利いて、それに色彩に詳しいんですよ!今日の私のドレスもアリスが選んでくれて、私の心境を察して悩みを解消する手助けをしてくれるアプリコットカラーを選んでくれたんです」

「フッ、いつものリアーナの顔だ。よかった」

「あ、あの、、私、攫われた時、凄く怖くて、怖くて堪らなくて、だからあんな風にルシアン様を責めてしまったんですが、、ルシアン様にはきっと何か考えがあるんだと後になって気付きました。」

「リアーナ、、」

「元婚約者失格ですね、、」
哀しみ混じりのリアーナの微笑みをルシアンは見逃さなかった

「俺は婚約を解消したつもりはない。今も昔も変わらずリアーナを愛している。物心ついた時から俺はリアーナを守る為にここまで一生懸命やってきたんだ。元婚約者だなんて悲しいこと言うな、、、」

そう言うとルシアンはリアーナを強く抱きしめた

「ルシアン様、、、私もルシアン様以外の方と結婚などしたくありません。幼い頃からずっと優しく守ってくれた貴方以外と、、。」

元から両国王夫妻が仲良く、子供達の結婚をもって、国を併合しようと考えていた。
そんな親の気持ちを知らずしても、2人は仲良く、いつしか恋に落ちていた
リアーナが社交界デビューした日もルシアンは、リアーナに言い寄ってくる者からリアーナを守ったり、リアーナに一途なルシアンは他の女性から声をかけられても相手にしなかった。それどころか、リアーナはルシアンが自分以外の女性とダンスをするところすら見たことがない。ルシアンはずっとリアーナを見ていた。そして、リアーナもルシアンしか見ていなかった


ルシアンへの想いが溢れ出し、リアーナは涙を流した

「リアーナ、愛している」
「私も、私も、、ルシアン様を愛してます」

2人の唇が重なった

しかし、ルシアンの服を掴むリアーナの手が震えていた

「どうした、リアーナ?手が震えている」

「そ、、その、、、私をルシアン様のものにしていただけないでしょうか、、、」

「、、!!!」

「、、私、他の誰かの物になるくらいなら修道女になるつもりでした。でも、この身を捧げるのなら、神よりもルシアン様に捧げたいのです。はしたないこを申しているのは分かっています、何もかも捨てて、貴方のものになりたい、、」

「ありがとうリアーナ。俺も今すぐにでもリアーナをものにしたい。抱き合いたい。だが、婚前の姫に手を付けたとなったら、リアーナのご両親に面目が立たない。」

「ルシアン様、、、」
こんな時でも私を大切にしてくださるのね


「リアーナ、必ず皆の祝福のもと結婚しよう。そのために頑張ってきたんだ。俺にリアーナを守らせてくれ。必ず幸せにする」

まるでプロポーズされたようで、嬉しくて、一筋の涙がリアーナの頬を伝った