卒業式が終わり、もう帰宅してもいいはずなのに、誰も帰ろうとしない。


多くの女子は、お互いに抱き合って泣いたり、みんなで集まって何枚も記念写真を撮ったりしている。


後輩たちから花束をもらったり、記念品をもらったりしている人もいる。


そんなことが繰り返しあちらこちらで行われているのを、私はまるで他人事のように見ていた。






私にはお別れを悲しんでくれる友達も、再会を誓いあう友達も、絶対に記念の写真を残したいと言ってくれる友達もいなかった。






私の居場所はどこにもなかった……






卒業後にまだ受験を控えている私は、さっさと帰って勉強する方がお似合いだ。



私はあちこちで団子になって騒いでいる集団を横目に、門に向かって歩いていった。