「お母さん、はつこいってなぁに?」

幼子は、母親に問いかける。

「お父さんにね、はつこいの人誰だったの?って聞いても全然教えてくれないの。」

そう、父親はいつも悲しそうに笑うのだ。

「いつになったら帰ってくるのかな…。」

写真の中から返事は帰って来ない。

「誕生日だから、今日ぐらい聞いていいよね。
奏歌、来年から小学1年生だもん。」