その瞳は、嘘をつけない。

私が本に気付いてしまった以上、隠すのも不自然だと感じたのだろう。
そういう、耕平の、隠し事が嫌いで素直なところは好きだったけど。
場合によってはとても残酷だ。

「そうなのね。おめでとう。」
そりゃ、妊娠したなら結婚するでしょうよ。
なんて感情を表に出さないように、必死に笑顔を取り繕う。
ちゃんと、出来てるかな。

「実加、その、なんていうか・・・・」

きっと謝りたいんだろうけども、その妙な誠実さが、今は鬱陶しい。
もう過ぎたことなんだから。
終わりにしたのは耕平なんだから。
もうこれ以上、私に惨めな思いをさせないで欲しい。

立ち去るタイミングを失ってしまい、耕平の歯切れの悪い言葉も尻すぼみのままの膠着状態。
どうしよう。。。