その瞳は、嘘をつけない。

「ごちそうさまでしたー。お腹いっぱいー。」

一之瀬さんはケッチャップご飯のデミグラスソースオムライス、私はバターライスのクリームソースがけオムライスを頼んだ。
運ばれてきた時はその大きさに驚いたけど、とろとろ卵とクリームソースがご飯にマッチしていてスプーンが進んだ。

「この卵の加減てなかなか難しいんですよね。家で作ってもいつも失敗しちゃって。」
「料理は好きなんだろ?」
「はい。でも一人分だと作ってもあまり美味しく出来ないことが多くて。それなりの量を作って、何日かに分けたりお弁当にしてるので、あんまり回数は作れないんですよね。」
いっぱいあるし♪とつい食べ過ぎてしまうことは、ここでは黙っておく。

「それなら今度振舞ってもらおうかな。」
「はい!ぜひ。」

この展開はもしかして!と頬が緩んでしまいそうになるのをぐっと堪えてる。
ただの社交辞令かもしれないから。

「じゃあ出るか。」

一之瀬さんが伝票を手に取り、颯爽とレジに向かっていく。
ここでは男性を立てておくべき、と後ろに控え、後でお支払いしますね、とお店を出てから伝えた。

「見たい店はあるか?」
「どんなお店があるのかよくわからないので、端から端まで歩きましょう!」
「ま、そうなるよな。」

近すぎず遠すぎずの距離を保って、並んで歩き始める。