その瞳は、嘘をつけない。

そうだった。
少し、思い出してきた気がする。

また、嫌な感情がぐるぐると渦巻いてくる。
寂しさ。
嫌悪感。
嫉妬。
さっきまで一之瀬さんとの会話を楽しんでいたはずか、名前を付けられないような、不安定でネガティブな感情に心を支配されそうになる。

「結婚するつもりで同棲してた彼氏を、看護師の女に取られたーって。
泣き出すのかと思って構えてたら飲み初めて、上機嫌になって笑いだすから、どうしたもんかと思ったぞ。」
そういって、笑いだした。
「重ね重ねすみません・・・。」
不思議なことに、一之瀬さんが笑ってくれたことで、沈んでいた心が浮上してきた。

「いっそ泣いてくれていたら、慰められたのにな。」

それって・・・。