その瞳は、嘘をつけない。

上がりの時間まであと30分。
ちょうど3時のおやつの時間♪
なんて、この年になって浮かれてしまうのは私だけかもしれないけど、
この時間帯にはケーキ、クッキー類とコーヒーや紅茶を一緒に注文するお客さんが多い。

そしてこのチョコレートケーキを見ていると、また一之瀬さんの事を考えてしまう。
あの日、恥ずかしくって一之瀬さんのことは全然見られなかったんだけど、
きっとチョコレートケーキは食べてくれたはず。
残念ながらショップメイドではないんだけど、ここのケーキはチョコレート生地にチョコレートがコーティングされていてかなり濃厚。
でもビターテイストなので甘すぎず、男性のお客さんにも人気だったりもする。

注文を受けたアップルパイのお皿をトレイに載せ、お客さんに渡す。
「コーヒーは後程お席にお持ちします。」
ごゆっくりお過ごしください。」

テーブルに向かうお客さんを見送ってから、お店の入り口に視線を移すと、

「へ?」

思わず変な声が出た。