その瞳は、嘘をつけない。

時が経つのはあっという間で、あれからもう1年。
私もついに未成年を卒業して、お酒を飲めるようになってから半年以上経ったけれど、変わり映えしないまま、
ついでに彼氏もできないまま。
色気が足りないのかしら。

なんて考えながら鬱々と出勤した、火曜日の朝。

「おはようございます。」

「あ、丹野おはよう。
今ちょうど、一之瀬さんへの出産祝いのカンパ集めてるの。
丹野も出してねー。」

「へっ!?」
デスクの向こうからの先輩の予期せぬ言葉に、思わず声が裏返ってしまった。

「お子さんが生まれたんですか!!
一之瀬さんに!?」

「そうなのよ。
相変わらずみたいで、あっちの署の人たちも寝耳に水だったらしいわよ~。」

あ、なんかその光景は想像できるかも。

結婚したことも、後から噂で聞いた。
式は一之瀬さんの地元で、親族中心で挙げたらしい。

一之瀬さんがパパで、実加さんがママ。

意外に子煩悩そうな一之瀬さんと、
家庭的な実加さん。
きっときっと、幸せで穏やかな家庭を築いているんだろうな。

きゃあ~思い描くだけでこっちがきゅんきゅんしてくるー!!

この幸せなニュースのおかげで、私の憂鬱はすっかり吹き飛び
張り切って駐禁の取り締まりに向かいましたとさ。


-END-