その瞳は、嘘をつけない。

お酒を飲んでいない者からすると、酔っ払いの集団のテンションについていくのはかなり厳しい。
いつもは断れない二次会も、今日はパスすることにした。
あの調子じゃ、私がいなくても誰も気づかないだろう。

集団から静かに離れ、駅へ向かおうとすると

「帰るのか?」

後ろから声をかけられて、振り向くと一之瀬さんだった。

「お疲れ様です。
今日は帰ります。なんかいつもより、皆さん激しくって、ついていけなくて・・・。」

その原因はもちろん一之瀬さんにあるんですよーなんて、言えないけれど。

「お前、家どっちだ?」

「××町です。」
「タクシー乗せてってやるよ。途中だから。」

「そんな、悪いです・・・。」
「気にすんな、未成年。」

私の事は女として意識していないっていうか、
子供扱いされてるんだろうな。

一之瀬さんに誘われ、一緒にタクシーに。

一之瀬さんが運転手さんが告げた場所は、私の家の2つ隣の町。
ここからだと、私の家は本当に通り道になる。

一之瀬さんの負担にならなくて済んで、ほっとした。