その瞳は、嘘をつけない。

そして、それは起こった。

一之瀬さんの後輩刑事が、席を移動する通りがかり際に放った一言。

「そう言えば、一之瀬さん。
彼女さんはどうするんですか?」

「連れて行く。」

破壊力最大規模の一撃。
単語数は少ないけれど
それでも、これが意味することを理解するには十分。

わざわざ本人に再度確認するような勇気のあるオネーさまもいなかった様で、賑やかだったその場は一転して、お通夜のような雰囲気に。

「おーい、一之瀬!こっち来いよ-。」

そしてちょうどそのタイミングで、ベテラン勢が集まる席からお呼びがかかった一之瀬さんも移動してしまい、
残されたオネーさま達。

駄目だ、雰囲気が、

オソロシイ・・・・・。

「丹野っ!!」

「は、はいっ!!!」

「酒注文して!!!!」

「はいっ!!!」

未成年の私にはお酒のチョイスなんて分からないので
取り合えず、ビールと白ワインをピッチャーで頼んでみたんだけど
オネーさま達は完全にヤケ酒モード。
空になったグラスにお酒を注ぎ、ピッチャーが空になる前に次を注文。
いつの間にか、送別会はお開きになっていた。