その瞳は、嘘をつけない。

夜、大きな紙袋を持って駐車場に向かう一之瀬さんと廊下ですれ違った。

「お疲れ様です・・・すごい量ですね。」

「あぁ・・・お前も食うか?」

そう言って、一番上にあった一箱を手に取り、私に差し出した。

「いえいえ、せっかく一之瀬さんのために用意されたチョコレートですから!
私が頂くわけにはいきません!!」

「そうか・・・?」

また紙袋にチョコレートを戻す一之瀬さんに、小声で聞いてみた。

「そんなに貰っちゃって、彼女さん怒らないんですか?」

「は?なんで怒るんだ?」

「え、いや、あの、
なんでもありません!お疲れ様です!!」

廊下を進む一之瀬さんの背を見送りながら
女心に相当疎い?
意外に天然なのかな?
なーんて考えてしまった。