「お前、来月連休取れるか?」

8月も終わりに近づいて来たけど、まだまだ蒸し暑くてアイスコーヒーがよく売れる。

珍しく秀くんがお店へ来てくれた。
アイスコーヒーとチョコレートケーキのテイクアウト。

「連休?今ちょうど店長がシフト作ってると思うんだけど。」
扉の向こうのバックルームへ視線を向ける。

「あ、一之瀬さーん!
この間は合コンのセッティングありがとうございましたー!」
タイミング良く(悪く?)映見ちゃんが休憩から戻ってきた。
「あぁ。職場でも盛り上がってたよ。佐伯さんのこと。」
「おかでさまで警察官のオトモダチがたくさんできましたー。」
映見ちゃん、棒読み・・・。

「今日はどうしたんですか?珍しいですね?」
「あぁ、来月のシフトの件で。」
自分が連休が取れたから実加はどうかと思って・・・と告げる秀くん。

「てんちょー!!実加ちゃんが連休欲しいそうですー。
婚前旅行ですってー!!」
バックルームの扉を開けて叫ぶ映見ちゃん。
「おっけー!!ユー行っちゃいなよ!」
店長の軽快な返事。

笑いを堪える秀くんと、この場から離れたい私。