最後の授業が終わり、俺は剣道場へ足を向けた。

靴を下駄箱に入れ、階段を上ると、200平米の広い空間が広がる。

「お願いします」

入り口で一礼して、俺は道場に足を踏み入れた。

冷んやりとした感触が、足の裏から伝わってくる。

後ろで、もう一つの『お願いします』の声がした。

幼馴染の大(まさる)だ。

彼は小学校の頃から俺と一緒に剣道をしていて、親友であり、良きライバルだ。

その後、何人かの先輩達も道場へやって来た。

俺達は道着に着替え、防具をつけた。

今日の練習の、始まりだ。