時が経つのは本当に早い。

気づけば、5月が終わろうとしていた。

そんなある日、俺が部活を終えて教室に入ると、莉央さんが俺の席に座っていた。

「倉田さん、そこ俺の席なんだけど」

「あ、ごめん。ちょっと外の景色見たくてさ」

彼女はそう言って、立ち上がった。

「でもどうして、俺の席なの?」

「んん、まあ、日が当たってたから、かな?私の席、柱で当たんないし」

よく分からない理由だ。

「別に座ったっていいでしょ?」

莉央さんが小首を傾げる。

「まぁ、いいけど」

そこで、クラスメートが次々と入って来て、俺と莉央さんはそれぞれの席に着いた。