秘書課で黙々と作業をしていれば、声を掛けられた。
顔を向ければ、社長秘書の並木(なみき)さんだった。
「ごめんね、斉藤さん。」
「いえ。」
「金曜の会食の件なんだけど。」
「はい。」
「社長が別件で無理になってしまって…………。」
「はい。」
「代理として榛名取締役と斉藤さん、それと開発企画部の榛名さんに出席して頂きたいのだけど大丈夫かしら?」
「何時からでしょうか?確認しておきます。」
「19時から。詳細はメールで。」
「はい。調整して出席出来るようにします。」
「宜しくね。」
「はい。」
代理として…………。
最近、榛名取締役は社長代理での会食がセッティングされる。
勿論、秘書の私が同行する事もある。
それは謂わば次の社長は榛名取締役であると周知されつつあった。
他の役員も代々受け継がれる榛名家に対して派閥が出来る訳もなく、役員の間でも榛名取締役は次期社長と認識されている。
そんな大物の秘書をする私の責任も重く、重圧に負けそうになる。
でも榛名取締役のフォローで何とかやってこれたのだ。
顔を向ければ、社長秘書の並木(なみき)さんだった。
「ごめんね、斉藤さん。」
「いえ。」
「金曜の会食の件なんだけど。」
「はい。」
「社長が別件で無理になってしまって…………。」
「はい。」
「代理として榛名取締役と斉藤さん、それと開発企画部の榛名さんに出席して頂きたいのだけど大丈夫かしら?」
「何時からでしょうか?確認しておきます。」
「19時から。詳細はメールで。」
「はい。調整して出席出来るようにします。」
「宜しくね。」
「はい。」
代理として…………。
最近、榛名取締役は社長代理での会食がセッティングされる。
勿論、秘書の私が同行する事もある。
それは謂わば次の社長は榛名取締役であると周知されつつあった。
他の役員も代々受け継がれる榛名家に対して派閥が出来る訳もなく、役員の間でも榛名取締役は次期社長と認識されている。
そんな大物の秘書をする私の責任も重く、重圧に負けそうになる。
でも榛名取締役のフォローで何とかやってこれたのだ。


